感動体験時には、その時の感情に加えて心象が脳内に生成される場合があります。心象の生成の有無は、一般に感動の度合いに依存し、感動度が大きい場合の心象は脳内に長期記憶されますが、感動度が小さい場合や無感動の場合の心象は一時的に脳内に短期記憶されますがいずれ忘却されます。
人間の脳には、喜怒哀楽とセットになっている場合に長期記憶として保存しておく性質があります。思い出としてとして長期記憶に残っているほとんどのものは感情移入情報です。
主に記憶を司る脳は、大脳辺縁系の中でも「海馬(かいば)」と呼ばれる部位であり、海馬が活性化することで、「ドーパミン」と呼ばれる神経伝達物質が放出され情報は脳に記憶されます。
ドーパミンは、ポジティブな感情、例えば、
・他者に褒められたり認められた時に生じる感情
・前向きな行動を起こす感情(わくわく、どきどき、楽しい等)
が生じることによって放出され記憶力が高まることが知られています。一例として、大人に比べて子どもの方が好奇心旺盛であり、ドーパミンが多く分泌されているために多くを記憶(学習)しています。何かが出来るようになる度に周囲の大人から褒められ、さらにドーパミンを分泌するので、どんどん上達していきます。
逆に、歳を重ねるにつれてドーパミンの分泌は減る傾向にあります。また、他人から褒められることも減るため、更に、ドーパミンの分泌は減っていきます。